DOMAIN

日本の基幹産業に鉄鋼製品を販売するJFE商事のコア事業

 世界トップレベルの鉄鋼メーカーJFEスチールをはじめとする国内外の製鉄会社が生産する鉄鋼製品を、国内の造船や重機、自動車、電機などのメーカーに販売しています。取扱製品は、造船や橋梁などに用いる「厚中板」、自動車や家電、建材などに用いる「薄板」、自動車や機械の部品に用いる「特殊鋼」、生活関連物資やエネルギー産業関連部材に用いる「ステンレス」、建築・土木用の「H型鋼」「丸棒」、およびガス管やプラントなどに用いる「鋼管」など多岐に渡ります。
 川上分野では、JFEグループの中核商社として、高級品シフトを鮮明化するJFEスチールとの戦略同期化を推進し、デリバリー等の実務からお客様への提案営業まで流通機能を最大限に発揮しています。川下分野では、在庫、物流機能を併せ持った鋼材加工センターを戦略的な販売拠点と位置付け、高付加価値製品をお客様の様々なニーズに合わせて加工販売する「サプライチェーン・マネジメント」を確立しています。
 お客様からのニーズに応え、高い評価を得ている船体ブロック一貫加工基地「JFE商事造船加工(株)」設立などのプロジェクトを推進しています。

鋼材の輸出など海外でのビジネスを大胆に推進

  北米・アジアを重点拠点として、鋼材や加工製品の輸出および海外プロジェクトに関わるビジネスを手掛けています。JFEスチールのグローバル戦略と同期化して同社が生産する各種鋼材製品の拡販を図るとともに、これまで培ってきた当社独自の仕入れ・販売ソースやノウハウを用いて、顧客の多様化・高度化するニーズに応えていきます。
 海外の鋼材加工センター事業は、1975年のシンガポールの「KAWARIN ENTERPRISE」設立からスタートし、現在は世界11カ国18カ所にネットワークを展開。さらに、近年ではフランス企業と合弁で自動車用モーターコアの製造販売会社を米国に設立するなど、2次加工、3次加工の分野への参入も積極的に進めています。
 また、海外プロジェクト案件としては、米国の現地法人を中心に展開する北米鉄鋼事業において、米国大手鋼管問屋ケリーパイプ社を買収し、今後も成長が期待される北米のエネルギー関連ビジネスへ本格参入。当社の保有する鋼材トレード機能およびグローバルネットワークを相乗的に結び付けていくことで顧客の幅広いニーズに応えていきます。

鉄の主原料である鉄鉱石、石炭を輸入販売

 鉄鋼製品の主要原料である鉄鉱石や石炭などを産出国から輸入し、JFEスチール向けに安定供給を実現するとともに、中国、台湾、インド、タイ、ベトナム、イギリスなど世界の高炉各社への取引拡大に取り組んでいます。
 石炭は、世界粗鋼生産量増加に伴う原料炭の需要増に対応し、原料炭の優良仕入ソースを求め、豪州、カナダ、ロシア、インドネシア等からの輸入拡大を図っています。
 鉄鉱石は、世界の三大資源国である、豪州、ブラジル、インドから日本への輸入に留まらず、近年急速に粗鋼生産を伸ばした中国向けに、インド、中南米、豪州産鉄鉱石を販売する三国間取引を拡大しています。
 非鉄分野においては、中国依存が高い合金鉄ビジネスにおいて仕入ソースを分散化するため、ロシア・韓国等からの輸入拡大を図り、またマレーシア・ボルネオ島サラワク州におけるフェロシリコン製造プロジェクトにも参画。JFEグループへの資源の安定供給を担うとともに、今後は国内電炉ミルや東南アジア諸国への販売を目指しています。

製鉄の副産化成品の取り扱いからスタートし新素材まで

 化学品は、製鉄の原料となるコークスの製造過程で生じるガスやタール、副生硫安、ベンゾールなどの副産化成品から、工業ガス類、クレオソート油などの石炭化学製品、塩化マグネシウムなどの無機化学品、ガソリンや潤滑油などの石油製品、ファインセラミックスなどの機能性化学品まで、幅広い製品の輸出入および現地取引を手がけています。
 燃料は、世界有数の貿易港に寄航するコンテナ船やJFEスチールの鉄鋼原料船向けに、燃料油および潤滑油を納めています。グループ会社のJFE商事石油販売(株)と一体になった営業を展開し、国内外の石油精製会社と安定供給体制を築くとともに、石油製品の国内外での取引拡大を図っています。
 船舶は、東南アジアから欧州までの幅広い市場向けに、自動車運搬船・原料運搬船を中心とした新造船の販売、用船契約・中古船販売の仲介、および日本船主による解撤船の中国市場向け販売を行っています。また、船舶を保有し定期用船として貸船する海運業も行っています。

製鉄所に必要な生産設備や資機材を販売

 JFEスチールをはじめ海外の製鉄メーカーなどに、生産設備やその設備を稼働させるための資材・機材を供給しています。取扱製品は、製鉄設備としては原料・製銑・製鋼設備の上工程から圧延・表面処理・出荷設備まで、またそのメンテナンス用機械部品、金属加工製品などを幅広く取り扱っています。資材品においても、各種圧延ロールや電線、機械加工品、工業用薬品、油脂類などあらゆる操業用資材品を取り扱っています。
 近年では、培ったノウハウを基に、需要の高まるインド・東南アジア・ブラジル等の鉄鋼メーカー向けの設備や機械部品、資材品の輸出取引拡大に注力し、活動の舞台を世界に広げています。
 その他事業のひとつとして、三井造船(株)と合弁で、スリランカの電力庁向けにJFE商事初の発電事業となる60メガワット発電バージによるIPP(独立発電事業)を展開しており、スリランカの電力需要の約5%を占める発電実績を上げ、スリランカの経済発展に貢献しています。