vision

新たな価値創造に挑戦し続ける
“Value Creating Company”を目指す

 当社は今、長引く世界経済の低迷に加え、国内における業界再編や中国・韓国の鉄鋼メーカーの台頭などによる激しい国際競争にさらされており、こうしたいくつもの高いハードルを越えていかない限り、明日はないという危機意識を鮮明に抱いています。このハードルを越えていくには、新たな価値創造に挑戦し続けることにしか“解”はありません。
 そこで、JFE商事は、2012年4月、「JFEグループにおいて、先駆けとしてマーケットを切り拓き、新たな価値創造に挑戦し続ける“Value Creating Company”を目指す」という経営ビジョンを掲げ、第3次中期経営計画をスタートさせました。過去最高益を更新するという、果敢な挑戦です。その達成のための戦略としては、大きく2軸を打ち出しています。「新興市場の開拓」と「人材育成の強化」です。
 かつて、日本の商社はリスクを果敢に取って新市場に攻め込んでいました。しかし、社会が豊かになるとともにいつしかリスクを避けるようになっているような気がします。今こそ、そのリスクを取り、未踏の市場にアグレッシブに挑む時。商社としてのマーケティング力や加工センターなどの機能を整備するとともに、現地に飛び込み開拓を担う人材を育成したい。商社には人跡未踏の地にも踏み込める自由度があるのですから。若い人たちにはもっとアグレッシブに挑戦させていきたい。そのようにして新たな商社像を切り拓いていきたいと思います。

JFE商事の最大の強みが「人材力」。
人材育成の基本理念を確立し強化へ

  JFE商事のビジネススタイルは、お客さまのニーズを的確にとらえて素早く対応する「顧客密着型営業」です。お客さまに対する丁寧かつ誠実な営業姿勢が高く評価されています。その営業力を導くJFE商事の最大の強みが「人材力」であり、最重要と位置付けている施策も「人材育成」なのです。2011年4月に人材育成の基本理念を確立し求める人物像を策定。その育成のための基本方針を定めました。新興市場の開拓に伴うリスクに踏み込むために、リスクを見極めヘッジする“知力”、果敢に挑む“胆力”を鍛え、「人材力」を更に強くしたい。
 胆力といえば、ひとつ安心した点があります。JFE商事グループの新入社員を紹介する冊子を作成しましたが、そのコメント欄に「アフリカに進出!」「南米市場を興す」「中国との架け橋になる」といった海外に打ち出て行こうという意欲を表すものが非常に目立ったのです。これにはとても頼もしく感じました。ぜひ、若いPOWERSに新興市場の開拓を実現してもらいたいと願っています。

スピード感を持って新市場を開拓し
新しい商社の形を追求する

 難局を打開していくには、既存のやり方ではままならないことも多いでしょう。したがって、私は“ジャンプ”することも必要だと思っています。理屈を超えたところでジャンプすることで、局面打開につながるアイディアが得られるからです。そのためにも、私はよく「万機公論に決すべし」と言っています。「五箇条の御誓文」にある、天下の政治は世論に従って決定すべき、という意味の言葉です。政治だけでなく、企業運営においても上も下も関係なく皆で議論し叡智を出し合うことが不可欠だと思うのです。そうすることによって次のステップが見え、一体感も生まれるからです。当社においては、今後も「万機公論に決すべし」を実践することでアイディアを生み出していきたいと思います。
 そして、体制を整えスピード感を持って新市場の開拓に取り組んでいきます。JFE商事が先駆けとなって取り組むことで、当社にノウハウや情報が蓄積します。これを、当該市場への進出を考えるお客さまに提供し、サポートすることから、また新しいビジネスも生み出すことができると考えています。JFE商事は、他社とは違う形で顧客満足を実現させながら、新しい商社の在り方を追求して社会に貢献し続けます。