PROJECT STORY 02
プロジェクトストーリー02
- トレーディングだけでなく、事業投資にも力を入れていること
- 相談や挑戦ができる社風、背中を追いたくなる先輩の存在
- プロフェッショナルとしてのキャリアアップ
- 海外での事業開発の経験
プロフィール
電機鋼材本部 電機企画本部 E-ビジネス推進室
課長
2010年入社
入社後財務経理部経理室へ配属。
2015年にJFEスチールに出向したあと2017年に財務経理部経理室へ。
2019年に米国へ駐在し、CEMCO買収プロジェクトに参画。
2025年に電機鋼材企画部E‐ビジネス推進室へ異動。
入社後財務経理部経理室へ配属。
2015年にJFEスチールに出向したあと2017年に財務経理部経理室へ。
2019年に米国へ駐在し、CEMCO買収プロジェクトに参画。
2025年に電機鋼材企画部E‐ビジネス推進室へ異動。
2022年3月からおよそ半年にわたって進行した、米国企業CEMCO(セムコ)のM&Aプロジェクト。2019年8月に設立されたJFE Shoji America Holdingsの事業運営知見を活かし、北米地域におけるさらなる収益拡大を目指す取り組みとして本プロジェクトは始まりました。特に、需要規模が大きく安定した成長が見込める建築業界、その中でも薄い鋼板から製造される建築材料(薄板建材)をターゲットとした事業投資です。
M&Aによる収益拡大の達成に向け、プロジェクトの事務局として全体進行を担いながら、M&Aという目的達成のための手順の検討や、事業リスクの洗い出し、価格の妥当性評価などにも深く携わった川並さん。チーム全体の連携と個々の突破力が融合し、JFE商事にとって次なる海外展開の礎となる貴重な成功事例となったプロジェクトをご紹介します。
今回のプロジェクトは、JFE Shoji America Holdingsの設立により現地でグループとして事業を営むためのガバナンス体制が整ったことや、過去のM&A企業の事業運営経験が蓄積されていた状況を受け、市場の将来性とJFE商事グループとの相性を見極めたうえで、需要規模が大きく安定的な成長が期待される薄板建材分野への投資の検討を開始しました。
M&A対象となる企業は異なる文化や商習慣の中で成長してきた企業かつ、JFE商事としては2014年以来となる米国企業のM&Aです。さらに今回は現地主導型という新たなアプローチでもありました。JFE Shoji America Holdingsの各検討チームメンバーは、それぞれ異なる専門領域を持つプロフェッショナルではありましたが、プロジェクト統括者以外は私を含め企業M&A経験を持った人は1人もいない状況。検討チームの実務担当者の全員が未経験という状況の中、JFE商事にとってCEMCOとのM&Aは価値のある投資なのか、慎重に検討を重ねました 。また、M&Aを実行するにあたってはどのようなスキームで投資すれば効率的か、M&A実行日から滞りなく事業を継承できるか。制度面・実務面双方からの精緻な設計が求められました。
本プロジェクトにおいて、私は検討チームの統括を支える立場として、事務局機能を担いました。業務は多岐にわたり、全体の進捗管理に加え、検討チームとともにCEMCOのリスク分析や価値評価の統合を行い、またM&Aに向けた手順の検討や価格が妥当であるかの検証など、M&Aの根幹に関わる業務を社内外の専門家と連携しながら推進しました。
具体的には、M&Aにむけた手順検討の際は、対象会社のM&Aに最も適したスキームを調査・検討し、M&A実行日から既存業務が中断されることなく継続するためには何に気をつけたらいいかを精査しました。また、価格の算定については、売手・買手双方の利害が交差するなかで、いかに合理的な金額を導き出すかが問われます。入社以来、財務経理部に長く在籍していたため「会社の評価を数字で見る」ことを経験し専門としてきたので、それまでの知見を総動員しながら、検討チームメンバーとともに検討を重ねていきました。
解決していったか
学び合い・補い合い、乗り越えられた。
JFE商事にとって8年ぶりとなる米国企業のM&Aは、未経験者が多い環境で、さらに現地主導という新しい体制。そうした未知の挑戦を、私たちは「学び合う力」と「チームワーク」で乗り越えていきました。検討チームメンバーはそれぞれ異なる専門領域を持っているため、各自が自分の専門に関わる米国のルールや慣習を徹底的に調査。外部の法律事務所や会計事務所などの専門家とも積極的にコミュニケーションを取り、その知見を持ち帰ってチームで共有しました。
特に重要視していたのは、常に“次のアクション”につなげる姿勢です。日々更新されるタスクと向き合いながらも、メンバー間で頻繁に意見を交わし、共に考え、柔軟に軌道修正を図る。このチームの連携が、経験不足という不安を自信へと変えていきました。そして何より、自分が主体的に取り組むべき領域と、チームで取り組むべき課題とをきちんと分けて動けたことが、プロジェクトを円滑に進めるカギとなりました。
JFEらしさとは
今回のM&Aプロジェクトを通じて、改めて実感したのは「JFE商事の強みはチームワークにある」ということです。未経験者が多いチームにもかかわらずスムーズに推進できたのは、一人ひとりが自分の得意分野で主体的に動き、他者の知見やアイデアを柔軟に取り入れることができたからに他なりません。JFE商事では、日頃から「チームで課題を解決する」文化が根づいており、今回のプロジェクトでもその姿勢が貫かれていました。
どんなに忙しくても、誰かが困っていれば手を差し伸べ、みんなで最適解を探る。そうした空気感が、現地主導という新しい挑戦においても変わらずに存在していたと感じます。また、採用HPにもある「突破力」も強く感じました。組織の枠にとらわれず、個人が自ら突破口を切り拓くことで次の道が開ける。主体性と協調性が共存するJFE商事のカルチャーこそが、今回のプロジェクト成功の原動力だったと感じています。
今回のプロジェクトを経て強く感じたのは、「未知の領域にも前向きに飛び込み、チームとやり切ることを楽しめる人」こそが、JFE商事で真価を発揮できる人材だということです。私自身、M&Aの実施経験はなく、現地主導型という社内に先例も少ない状況でプロジェクトが始まりました。正直、不安がなかったわけではありません。けれど、仲間と手を取り合いながら、知識を持ち寄り、行動し、壁を乗り越えるプロセスは非常に刺激的で、むしろ楽しさを感じていました。JFE商事には、異なる専門性や文化背景を持つ人材が多くいます。だからこそ、自分にない視点から学び、柔軟に吸収できる素直さが何より大切です。新しいことにも臆せず挑戦できる人、人と協働することに喜びを見出せる人なら、きっとこの環境で大きく成長できるはずです。
これからは、私が経験したプロジェクトのノウハウを次の世代に引き継ぎ、挑戦の場を広げていくことが目標です。グローバルな舞台でチームとともに挑戦したい方にとって、JFE商事は大きな可能性を秘めたフィールドだと思います。