PROJECT STORY 01

プロジェクトストーリー01

海洋資源開発を進めるため、
高品質な日本製鋼材を、
アメリカへ。世界へ。

エネルギー鋼材・
鋼管 大規模納入プロジェクト

Project Member

プロジェクトストーリー
中村 英樹
※取材当時の内容です。
鉄鋼貿易本部 
厚板・エネルギー鋼材貿易部

エネルギー鋼材・鋼管貿易室
2001年度入社

就職活動では複数の商社の選考を受け、会った社員に惹かれてJFE商事に入社。鋼管貿易グループ(現 エネルギー鋼材・鋼管貿易室)に配属。K&I特殊管販売株式会社への出向も経験。2010年から米国JFE商事ヒューストン支店に赴任。2017年6月に帰国し、現職。

増大する世界のエネルギー需要。
資源の採取・輸送施設を私たちの鋼材で。

増大するエネルギー需要に対応するため、世界ではエネルギー資源の採取、輸送のための設備建設が精力的に進められている。なかでも海洋資源の開発は今後の成長市場。
海底油田、ガス田の開発には、大型の海洋構造物を建設する必要があり、そこには波や風による力にも耐える高強度な鋼材が必要となる。JFEグループのJFEスチールが得意とする鋼材だ。数々のエネルギー関連施設を形づくってきたJFEスチールの鋼材・鋼管を、もっと世界の施設建設に使ってもらうため、2010年からアメリカのヒューストンで動き始めていたのが、JFE商事の中村英樹だった。ビジネスは人間関係の上に成り立つ。それが中村のモットー。「ビジネスの話よりも前に、人と人として、時にはお酒も飲みながら語り合っていくうちに、お客様も構想段階の話をしてくださるようになり、こちらもその仕事に感情移入していく」(中村)。今回も応接室や会議室ではないところで、ビジネスの基礎づくりが始まっていった。

「世界3ヶ所での海洋構造物建設案件を
ほぼ同時に進め、客先へ納入する」

数年をかけて関係を築き、夢や構想をともに語り合う関係となっていたある米国企業の経営幹部と中村。話が一気に具体性を帯びたのは、2015年のことだった。「海洋資源開発のための大型構造物の建設案件を、世界の3ヶ所で、ほぼ同時に進めたい。そのための鋼材・鋼管を全部、用意できるか」。合わせると20,000トンを超える大きな案件だった。求められる納期に間に合わせられるか。間に合わせるにはどうすればよいか。中村は本社のエネルギー鋼材・鋼管貿易室のメンバーに連絡を取り、JFEスチールとの調整を依頼した。全てを日本からアメリカに納めればよいわけではなく、一部の鋼材は一度、第3国の加工会社を経由する必要もあった。中村が時間をかけてつくってきた案件。何としても形にしようと、東京では中村の後輩たちがJFEスチールとの交渉に当たった。「自分より7、8年若い後輩2人が頑張ってくれました。私と同じ目線で、同じ目標を共有して動いてくれた。頼もしかったですね」(中村)。JFE商事側の出したオファーは顧客に承認され、大型の鋼材納入プロジェクトが2016年の夏にスタートした。

発生したスケジュールのずれ。
さあ、どう解決する?

プロジェクトは順調に進んでいくかに見えたが、2016年の冬、様々な理由が重なり、最初に設定した納期が難しくなっていることが発覚。連絡が届くと、すぐに中村はお客様に状況を報告して、対策の協議に入った。「3ヶ所の海洋構造物建設の建設計画をさらに整理し、どの鋼材の納入を優先するべきかを細かく吟味しました。お客様と徹底的に話し、構造物の設計も理解できていたので、建設に影響しない納入スケジュールになんとか組み直すことができました」(中村)。2017年5月、ようやくこれで計画通りに進めることができるという目処が立った。心配していたお客様にも安心してもらえることができ、ホッとしたのもつかの間、その1ヶ月後、また遅れが生じたという報告が届いた。さすがにこれは問題になると覚悟しつつ、中村はお客様に伝えた。ちょうどお客様と休日に一緒に釣りに行った日だった。「恐る恐る伝える私に、『問題がまったく起こらない案件はない。問題を解決して結果を出すために我々はいるんだろう』、そう言って、むしろその方は私を励ましてくださったんです。釣りの帰り道の車の中から、携帯電話をスピーカーにして日本とつなぎ、電話会議を始めました」(中村)。

問題はピンチなだけでなく、
チャンスでもある。

こうして二度の危機を脱して、2017年の秋全ての鋼材を指定納入先へ納入することができた。お客様からも「Strong Finishだった」と労いの言葉をいただいた。問題はピンチなだけでなく、チャンスでもあった。難しい問題ほど解決できれば、信頼はさらに高まることを中村は実感した。その後、ヒューストン支店での業務を、日本から赴任してきた後輩に引き継いで、中村は本社に帰任した。「本件は、お客様とだけでなく、下請け先、設計会社、仕入先、エージェントなど多くの人が関わっていました。問題発生時にも、みんなが責任のなすり合いをせず、共通のゴールに向けて、お互いの事情を理解しながら、最善策を見つけようと取り組んだことも成功の要因だったと考えています。でもプロジェクトはまだ途中。我々の鋼材の納入が済んだだけで、お客様は今も建設を進めている。その施設ができるまでは我々も終わった気はしません」(中村)。プロジェクトに感情移入し、目標を共有して仕事をする。それが中村の商売のつくり方。エネルギーという世界的な課題にこれからもコミットし続ける。

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